春日大社の新発見

新春の明るいテレビニュースとして、奈良春日大社の太刀発見の事を知りました。国宝殿に3月27日まで展示中との事、早速出掛けました。
国宝殿は昨年オープンしたばかり。奉納された武具は、平安時代から鎌倉時代の物が主流で国宝クラスです。

新聞記事によると、77年前に天井裏から発見されたもので、今回の国宝殿オープンに合わせて調査、整理されたのでしょう。
九振が人間国宝の本阿弥光州研匠の手で甦り、内五振が今回の展示でした。内二振が古備前の助行、友成、一振が九州の延寿国吉で、残り二振が無銘でした。
五振とも拵に入っていたようで、助行と友成のみ太刀拵も当時のまま生ぶの姿を残していました。他の三振も黒漆皮包が現存しているようですが、展示されておらず、展示に耐える状態では無かったのでしょう。

特に私の目に焼き付いたのは、助行の刃こぼれでした、物打から上数ケ所、誉れ傷です。研ぎ匠の苦労が偲ばれました。
良くもこれだけの形で残ったものだ、900年もと感心するばかりでした。春日大社の神官の日記には「弘安六年(1283)年10月16日に六波羅探題 北条時村が太刀を奉納とした記述」があり、いずれかがこれに該当するものと考えられるとしています。
愛刀家として最高の出会いです。